生活習慣病

生活習慣病とは

生活習慣病とは、不摂生な食事や不規則な生活リズム、運動不足といった、日々の生活習慣に起因して起こる病の総称です。

糖尿病

糖尿病糖尿病とは血中のブドウ糖の濃度、血糖値が慢性的に高くなる病気です。
インスリン不足や、働きの低下により、血糖値が下がらなくなるという特徴があります。

原因

通常、血糖値は食事によって急激に上がり、脾臓から分泌されるインスリンによって再度大幅に下げられますが、食事の早食いや偏った食事などにより、血糖値が激しく上がるとインスリンの分泌量が乱れ、血糖値が下がらなくなります。
これにより慢性的な高血糖状態となり、血管に多大な負担になったり、腎臓の働きが落ちたりといった症状が起きます。

症状

初期症状はほぼありませんが、慢性的に血糖値が高くなると、喉の渇きや水分の摂りすぎ、すぐに空腹感が生じる、倦怠感や疲労感が抜けないといった症状が起きます。さらに進行すると、手の不自然なしびれ、かゆみ、視力の低下といったものが起き、深刻になると心筋梗塞や脳卒中の引き金にもなります、
また糖尿病の合併症というもので、網膜症や腎症、神経障害は糖尿病の3大合併症として知られています。

治療法

糖尿病にはI型とII型の2種類があり、まずI型糖尿病であればすぐにインスリンによる治療を始め、血糖値を直接コントロールしていくという治療をします。
II型の場合はまず、運動療法や食事の改善と言った生活習慣への指導を行います。
生活習慣の改善でも血糖値に変化が見られない場合は、血糖値を下げるお薬や、インスリンを取り入れる治療に進みます。

高血圧

高血圧高血圧とは、文字通り血圧が高い状態のことで、日本で4000万人以上の患者がいるとされています。高血圧は、日頃から測っていないと把握することは難しく、自覚症状が乏しいため放置しておく方が多いと思われます。
しかし、放置していると心筋梗塞や脳卒中、大動脈解離といった重大な病のリスクを高めるため、普段から把握しておくことが大切です。

原因

高血圧は、塩分や脂分の多い食事や運動不足が主な原因となって引き起こされます。また、タバコも血管を収縮させる働きがあるため、高血圧の大きな要因になります。

症状

高血圧に起因する自覚症状はありませんが、進行することで心筋梗塞や脳卒中といった病の原因になります。
例えば頭痛やめまいといったものは、脳の血管が圧迫されているために起こっていて、危険な状態を示すサインの可能性もあります。また、脚や顔のむくみも、高血圧によって老廃物の排出が滞っているために起きている可能性も考えられます。

治療法

高血圧の治療・改善として、まずは第一に塩分を控える食事を心がけて、水分を摂ることを意識しましょう。もし肥満気味であれば、肥満の改善も高血圧改善に直結します。
内臓脂肪が多いと血管の通りが悪くなり、血圧が高まりますので、心当たりがあれば改善してみてください。

脂質異常症

脂質異常症脂質異常症とは、言い換えればコレステロール値が異常、という状態です。血中のLDLコレステロール値や中性脂肪が増えすぎているか、逆にHDLコレステロール値が少なすぎる状態です。
簡単に言うと、HDLは善玉コレステロールですので低いと危険で、LDLは悪玉コレステロールですので多いと危険という状態です。

原因

中性脂肪が増える原因は、暴飲暴食や脂分の摂りすぎや運動不足にありますが、稀に「甲状腺機能亢進(こうしん)症」と言い、代謝が活発になり過ぎてしまい、中性脂肪が著しく低下するというケースもあります。

症状

脂質異常症は高血圧のように症状に乏しい病で、高脂血症であれば肥満の症状に繋がって行きますが、それ以外で特に症状らしき症状は出ません。
しかし、数値が悪いと並行して別の病に繋がって来ますので、健康診断などで異常が見つかった場合は早めに医療機関を受診したり、生活習慣を見直したりして改善するようにしましょう。

治療法

まずは第一に、脂分や塩分を控える食事にすることや、アルコール分を控えることが大事です。併せて、運動も組み合わせて、体重の減量をすることが改善に大きく繋がります。
深刻な場合はコレステロール値を下げる薬を使用する場合もあります。

高尿酸血症(痛風)

高尿酸血症(痛風)高尿酸血症はいわゆる痛風のことで、血中の尿酸値が高くなり、結晶となって関節などに溜まると激しい炎症となり、激痛が走ります。

原因

痛風の引き金となる尿酸は、元は老廃物の1つで、肝臓などでプリン体が分解されることによって出てくる成分です。尿酸が生活習慣の乱れや遺伝的な要因によって大量に排出されてしまい、腎臓からの排出が減ると体内に尿酸が溜まり、結晶となって発症します。

症状

症状は多くの場合では、足の親指の付け根のわずかな痛みが初期症状で、この痛みは通常数日で治りますが、この時に気づかずに放っておいてしまうと、痛みが断続的に起こります。
さらに放っておくと痛みが増し、最終的には風が当たるだけで激痛が走るほどの痛みになります。

治療法

治療は生活習慣の改善か、もし症状が強く出ている場合にはお薬で尿酸の発生を抑えたり、排出を促したりしていきます。また痛み止めとして、非ステロイドの抗炎症薬を使用する場合もあります。

メタボリックシンドローム

メタボリックシンドロームメタボリックシンドロームとは、日本語で言うと「内臓脂肪症候群」と言う意味で、上記の高血圧、糖尿病、脂質異常症のうちいずれか2つ以上に当てはまっている状態のことです。
メタボは内臓脂肪が多い状態ですので、動脈硬化が非常に進行しやすく、心疾患や脳卒中などのリスクが極めて高いため、早急な改善が必要になります。