首・肩の痛みでお悩みの方へ
首から腕にかけての痛みやしびれの原因は、神経がダメージを受けていることがほとんどです。そのため、どの神経がダメージを受けているかで病名や治療方法が異なります。
神経周囲の骨や筋肉が痛みの原因となることもあるため、早急な治療が求められます。
首の痛みが生じる主な疾患
頚椎椎間板ヘルニア
頚椎椎間板ヘルニアは、「加齢」「姿勢の悪さ(猫背など)」「スポーツ」などを原因とする疾患です。骨と骨の間にある椎間板が外に飛び出してしまうと、周辺の神経が圧迫されて首の痛み手や指に痛みやしびれが現れます。
さらに脊髄が圧迫されると歩行障害を引き起こすことがあります。
ストレートネック
頚椎は7個の骨で構成されており、元から持つ自然なカーブがなくなり頚椎が一直線になる状態をストレートネックと呼びます。頭を支えにくくなるため、肩や首に不要な力が加わり痛みを感じます。スマホ首とも呼ばれることもあり、うつむいた姿勢が多いと発症リスクが高くなります。
主な症状は、「肩・首の痛み」「頭痛」「耳鳴り」などです。
外傷性頚部症候群
外傷性頚部症候群とは、いわゆる「むち打ち」と呼ばれるものです。交通事故などの大きな衝撃をきっかけに、首や肩に痛みが生じます。受傷後すぐに痛みが出る場合もありますが、数日後に発症するケースもあります。
特に、事後の翌朝に首や肩の痛みがでることが多いです。
頚部脊柱管狭窄症
首の中にある脊柱管と呼ばれる、神経が通過するトンネルが狭くなると、脊髄が圧迫され、手や肩がしびれやすくなります。頚部脊柱管狭窄症の原因には、生まれつきの身体の構造や加齢があります。
頚椎椎間関節症
頚椎の骨と骨の間には、椎間関節と呼ばれる骨同士のつなぎ目があり、頚椎椎間関節症では炎症を起こし痛みを生じます。原因は、「外傷」「寝ちがえ」「加齢」など様々です。首を動かすことで、痛みが増します。
肩の痛み生じる主な疾患
肩に痛みがあると、日常生活に関わる多くの動作に影響が出やすくなります。また、肩に起こる疾患はスポーツでも起きやすい特徴があります。 痛みの程度や頻度などを細かく調べた上での、正しい診断及び治療が必要です。
肩こり
肩こりの原因には、「肩や首まわりの血行不良」「筋肉の強張り」「過度の緊張」などが挙げられます。
痛みが強い場合には、消炎鎮痛剤を用いた服薬治療が効果的です。また、筋肉の張りをほぐすための「トリガーブロック注射」が行われることもあります。
あくまで筋肉の痛みであるため、血行改善を行うと症状緩和に繋がることがほとんどです。そのため、「温熱療法(ホットパック、マイクロ波)」などの物理療法を取り入れると改善が期待できます。
四十肩・五十肩(肩関節周囲炎)
肩関節を構成している骨や軟骨が、老化することで炎症を起こす疾患です。発症した直後は、夜も眠れないような強い痛みが現れることがあります。また、時間が経つと共に拘縮(肩が硬くなること)が進み、肩を動かすことが難しくなります。
胸郭出口症候群
胸椎及び肋骨で囲われた空間を「胸郭」といいます。胸郭出口症候群とは、鎖骨の上部の静脈が筋肉や肋骨に圧迫される疾患です。
主な症状には「頚部から肩にかけてのコリ」「腕のだるさ」「しびれ」などがあります。
石灰沈着性腱板炎
40代以降の女性に多く発症し、夜中に急に肩に激痛が走る疾患です。骨と筋肉が接着している腱板に、リン酸カルシウムと呼ばれる結晶が沈着し、発症から時間が経つと肩が拘縮してしまうため、早期の治療が大切です。
腱板損傷/腱板断裂
肩関節の骨と筋肉がくっついている腱板に孔が開くと、痛みや動かしにくさを感じます。また、外傷だけではなく、加齢や日常生活の酷使から断裂してしまうこともあります。
断裂部に強い痛みがあり、自分の力で上げることができずに、上げる際にはゴリゴリと鳴る症状も特徴です。
変形性肩関節症
肩甲骨と上腕骨の間にある、肩関節の軟骨が変形する疾患です。骨と骨の間の軟骨がなくなるため、骨同士がぶつかること激しい痛みが起こります。変形性膝関節症の原因には、「外傷」「加齢」「関節リウマチ」「腱板断裂」などが挙げられます。
野球肩
野球に取り組んでいる、小学生くらいの子どもから大人まで患者数の多い疾患です。肩を激しく動かす動作を繰り返し行うと、関節内部で骨と骨とがぶつかりあい、筋肉が骨の間に挟み込まれるなどの障害が起こりやすくなります。
特に野球をする人に多く見られますが、バレーボールやテニスなど腕を大きく振り切るようなスポーツは注意が必要です。
脱臼
脱臼とは、いわゆる「肩が外れる」といった状態です。肩関節の無理な方向に大きな力がかかった際や、転倒して腕を強くついてしまった場合などに脱臼が起こりやすくなります。
また、脱臼した際に筋肉や靭帯などの部分に損傷が起きると完治までに時間を要することもあります。繰り返し脱臼が起こりやすい状態にもなるため、受傷後は正しい位置に骨を整復し、安静を経た後に筋力回復を目的としたリハビリテーションを行います。