ステロイドと麻酔薬を併用する「神経ブロック注射」は、整形外科で一般的に行われる治療の1つです。患部へと注射することで、痛みを改善する効果が期待できます。
ただ、神経ブロック注射の効果は多くの場合、1~2日で減退します。神経ブロック注射を含めた保存療法を1~2ヶ月継続しても痛みが残る、激痛が生じている場合には、パルス高周波療法(PRF)・高周波熱凝固療法(RF)といった治療も選択肢の1つとなります。
大阪みま整形外科&痛みのクリニックでは、「トップリージョンジェネレーターTLG-10」(トップ社製)を用いたパルス高周波療法・高周波熱凝固療法を行っています。神経を熱変性させることで、痛みの改善・長期にわたる痛みの抑制が期待できます。
パルス高周波療法とは
42℃で300秒間、間欠的に高周波電流を流すことで、神経を熱変性させ、痛みの改善を図ります。
比較的低温であるため、遠心性神経(運動神経)にも効果が期待できます。
適応となる疾患と症状
パルス高周波療法の主な適応疾患・症状は、以下の通りです。
- 帯状疱疹神経炎(体幹・四肢の皮膚の痛み)
- 頚部神経根症(腕・手の痛み)
- 頚椎椎間関節症(首の痛み)
- 肩関節周囲炎(肩の痛み)
- 腰部神経根症(下肢の痛み)
- 腰椎椎間関節症(腰の痛み)
- 仙腸関節痛(腰・臀部の痛み)
- 変形性膝関節症(膝の痛み)
- 末梢神経障害(肩甲上神経・伏在神経・腓骨神経の障害)
パルス高周波療法の効果について
通常の神経ブロック注射では、注射後1~2日後には、効果が減退することがあります。
一方でパルス高周波療法では、数か月痛みを抑制する効果が期待できます。加えて、月1回ペースで合計2~3回繰り返し治療を行うことで、蓄積効果が発揮され、痛みの再発予防にもつながります。
パルス高周波療法は、脊椎疾患や神経障害による痛みの改善効果があります。
高周波熱凝固療法とは
90℃で120秒間、高周波電流による熱によって神経を変性させ、痛みの改善を図ります。
パルス高周波療法よりも高温であるため、遠心性神経(運動神経)に対して使用することはできません。
適応となる疾患と症状
- 三叉神経痛(鼻の横・歯茎・目のまわりの激痛)
- 腰痛、背中の痛み
- がんの痛み
高周波熱凝固療法の効果について
痛みを伝えている神経を特定した上で熱凝固し、痛みの信号を遮断することで痛みを抑えます。
個人差はありますが、効果は半年~1年程度持続します。
椎間板・椎間関節・仙腸関節由来の慢性的な腰痛、背中の痛み、三叉神経痛、肋間神経痛、慢性頚部痛などに対する効果が期待できます。
副作用とリスクについて
パルス高周波療法、高周波熱凝固療法の使用することで、以下のような副作用・合併症が起こる可能性あります。
副作用・合併症
- 針を刺した部位の出血、痛み、感染
- 運動麻痺、筋力低下、知覚障害
- 神経炎
- やけど
- しびれ
リスク
- 凝固が広範囲に及ぶと、脱力などの運動麻痺、しびれといった知覚障害が後遺症として残る可能性があります。
- 痛みの原因になっている神経に運動神経が含まれている場合には、適応外となります。
費用(保険適用)目安
パルス高周波療法、高周波熱凝固療法には、保険が適用されます。
保険が適用された場合のご負担額の目安は、以下の通りです。
1割負担 | 3割負担 | |
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3,000円 | 9,000円 |
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1,800円 | 5,400円 |
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800円 | 2,400円 |
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340円 | 1,020円 |
※別途、初診料・再診料・薬剤料・検査料が発生します。