リウマチとは
関節リウマチは、自己免疫疾患の1つです。全国での患者数はおおよそ70〜80万人と推定されており、男女比は1対4と女性に多い疾患とされています。発症のピークは30~50歳代とされており、遺伝要因や環境要因も関連する疾患です。
主な症状は手足の指の関節炎で、進行すると膝などの大きな関節に痛みを感じることもあります。なお、適切な治療を行わないと、徐々に関節が破壊され動きにくくなります。
近年開発された治療薬や治療法の進歩により、早期に治療を開始できれば、進行を最小限に抑えられます。
関節リウマチに初期症状はある?
関節リウマチの初期症状は、典型的には起床時に約30分以上のこわばりや関節の腫れがあります。6週間以上続くとより疑わしいです。症状が進行すると、痛みや変形が起こり、日常生活に支障をきたします。
- 関節の痛みが長期間続く
- 起床時、関節のまわりがこわばる
- 全身のだるさがあり、微熱が続く
- 食欲がなく、体重が減少傾向にある
- 血縁者に関節リウマチの既往歴がある
- 喫煙者
など
関節リウマチの原因
関節リウマチの原因は、解明されていません。遺伝要因がおおよそ10~15%関与していると言われていますが、「喫煙」「歯周病」「腸内フローラ(腸内細菌叢)の乱れ」なども関連していると考えられています。
関節リウマチの検査や診断
関節リウマチの診断は、問診や血液検査などから総合的に判断し、アメリカリウマチ学会(ACR)とヨーロッパリウマチ学会(EULAR)によって提唱された関節リウマチ診断基準(分類基準)を基準に行います。
血液検査でリウマチに関する項目に陽性反応があることは、有益な情報となりますが、リウマトイド因子(RF)は健康な人でも陽性になることもあります。
また、骨の表面の状態や関節の隙間の程度をMRIや超音波検査で確認をすると、リウマチの診断がしやすくなります。
関節リウマチの治療
関節リウマチの治療に用いられる薬には、「消炎鎮痛薬(NSAIDs)」「抗リウマチ薬(DMARDs)」「ステロイド」「生物学的製剤」「JAK阻害薬」などがあります。
抗リウマチ薬(メトトレキサート)は、免疫抑制作用を持つ抗リウマチ薬です。世界的に最もよく使用されている薬ですが、効果がなければ生物学的製剤へ移行します。生物学的製剤は、点滴または皮下注射で投与し、その間隔は1週間に2回から2カ月に1回と様々です。通院回数やライフスタイルに合わせて治療薬を選択できます。
「JAK阻害薬」は、炎症を引き起こすサイトカインの働きを抑え、関節の炎症を抑えます。抗リウマチ薬の効果が不十分な場合に使用することが多いです。副作用として、免疫が低下し、感染症を起こしやすい点が挙げられます。
関節リウマチに対してのリハビリテーションには、運動療法、理学療法、作業療法、補助具(杖・サポーター)を使用した療法があります。
リハビリテーションで症状の改善が見られない際には手術適応となり、人工関節置換術などを選択することになります。