側弯症

側弯症とは

側弯症とは側弯症とは、正面や背中側から見ると脊柱(骨の並び)左右に曲がっている病気のことです。発生頻度は1%前後、男子より女子に発症しやすいです。
機能性脊柱側弯症(痛みや姿勢の悪さや骨盤の傾きの異常があるタイプ)と構築性脊柱側弯症(骨自体が曲がっているタイプ)の2タイプに分類されます。

脊柱とは

脊柱とは椎体が一個一個連結した配列のことです。
電車で例えるなら、椎体=車両です。その1つ1つの車両が連結して長い電車を構成しています。その、長い電車のことを脊柱といいます。

側弯症の原因

側弯症の原因は多くの場合、不明です。原因不明の側弯症を特発性側弯症と言いますが、これが側弯症全体に占める割合は多く、全体の60~70%を占めます。
そのほか、脊柱の先天的な異常によるものを先天性側弯症、筋肉や神経の異常による側弯を症候性側弯症と言います。

構築性脊柱側弯症
(骨自体が曲がっているタイプ)

①特発性側弯症

全側弯症の70~80を占めています。
乳幼児側弯症(3歳未満)、学童期側弯症(3~10歳)、思春期側弯症と発症年齢によって分類されています。
代表的な思春期側弯症について説明します。
思春期側弯症とは、11歳以上に発症する側弯症で最多を占めています。85%が女子です。多くは成長停止とともに側弯症の進行は停止します。成人でも少し進行する場合もあります。特に妊娠よって増悪することもあります。

②症候性側弯症

骨、神経、筋肉、の生まれつきの異常やマルファン症候群など体の異常による側弯症です。

③変性腰椎側弯症

加齢や椎間板の変性による側弯症です。
すべり症や腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症を合併することが多いです。

特発性側弯症

特発性湾曲症は、発症する時期の違いによって乳幼児期、学童期、思春期の3つに分けられます。このうち思春期側弯症が最も多く発症するケースであり、全体の80%程度を占めています。10代から発症が見られるもので、女性に多く見られます。

症候性側弯症

症候性側弯症は様々な病気に伴って発症が見られます。例えば先天的に椎骨(脊椎を構成する骨の1つ1つ)の数が通常よりも少ない場合や、背骨が癒合して成長できないために湾曲しているような脊柱変形などの病気とともに、側弯症が発生する場合があります。

側弯症の症状

  • 腰の位置が異なる
  • 左右の肩の位置が異なる
  • 片方の肩甲骨が飛び出しているように見える
  • 胸郭の片側が前に突き出している
    など
側弯症は放っておくとどうなる?

特発性側弯症は放置していても痛みはほとんど感じません。
一般的には成長の終了に伴って変形も止まりますが、大きく曲がっている場合は成長が止まっても変形が進むことがあります。放置していると、外見からも歪みが分かり、背骨の湾曲によって内臓を圧迫したり、心臓や呼吸器、消化器の機能低下を起こしたりしますので注意が必要です。
このような場合は自覚症状もかなり出ていると思いますので、大阪みま整形外科&痛みのクリニックまでご相談ください。

側弯症の診断と検査

側弯症の診断にあたっては、患者様に前かがみの姿勢をお取りいただき、背後から脊柱を観察します。また、患者様に立っていただき、両腕を垂らして腰を前に曲げ、胸郭の片側が突出しているかどうかを観察します。
さらに神経学的検査やMRI検査を行い、脊柱の湾曲の程度を明らかにします。

側弯症の治し方

側弯症の治療にあたっては、患者様の年齢や湾曲の程度などに基づき、以下の方法を選択します。

経過観察

経過観察曲がりが軽度の場合は、定期的なレントゲン検査と診察を受けましょう。進行に応じて装具治療を行います。

装具治療

湾曲が中程度の場合は、進行を防止するために装具治療を行います。成長が止まり、骨の成長が終わって、湾曲の進行もなければ、徐々に装具の装着時間を減らしてやがて終了させます。

手術

高度の湾曲を矯正し、進行を防止するために手術を行います。現在は手術の安全性が向上していますので、安心してお受けになることができます。

側弯症の方が
やってはいけないこと・
注意すること

側弯症の場合、片側に姿勢が傾きやすかったり、腰を痛めやすいといったことが生じがちです。長時間崩れた姿勢を取ったり、重いものを持ったりすると症状の悪化を招きやすいです。そのため、普段からできるだけまっすぐな姿勢を保つことや、無理に重いものを持たないように気をつけましょう。

日常生活の姿勢

以下の姿勢をとらないように注意しましょう。

  • 横向きに寝てテレビを観る
  • 横向きや打つ伏せになって本を読む
  • 机やテーブルに頬杖を突く
    など

筋トレ

安易に自己流の筋トレをすると、側弯を余計にひどくしてしまうことがあります。側弯を矯正するための筋トレは、側弯の状態に合わせた方法を採ることが必要です。
整形外科などで診察を受け、専門家の助言の下に行うようにしましょう。

ストレッチ

側弯のストレッチを行う際には以下の点に注意しましょう。

  • ストレッチ時、勢いをつけて行わない
  • 痛みを感じるようになるまでやるなど、無理なことはしない

スポーツ

適度な運動は心身の健康を保つためにも重要です。
ただし、腰痛が起こるような無理な運動は避けましょう。

側弯症の予防

側弯症の予防側弯症には具体的な予防方法はないのが現状です。
ただし骨に異常がないかぎり、日々の姿勢に注意することで側弯症をすることは可能です。
もし側弯症かもしれないと思ったら、迷わず専門医の診断を受けるようにしましょう。