気になる症状や痛みがあるけど何科を受診すればいいのか分からない
何か気になる症状や健康について調べていると、しばしば「医療機関を受診してください」というような表現を目にすると思います。ですが、実際に何科を受診すれば良いか、全く分からない症状も多いと思います。
そうした場合は、内科に相談するのがベターと言えます。
病院にある様々な「診療科」は、大きく分けると内科と外科に分かれています。内科では体の内部で起こっている病気を探る「鑑別診断」が可能となります。
※余談:脊椎外科って?
脊椎外科は聞きなれないかもしれませんが、脳神経外科医あるいは整形外科医のことだと思ってください。
脳神経外科や整形外科を専門としていた医者が、より専門的な分野のひとつとして脊椎外科をやっているということです。
痛む部位別の主な受診すべき科
上記のことを踏まえて、以下に、症状が起きている部位別で受診すべき科についてご紹介します。
首・肩・喉・頭
首 | 整形外科、内科 | |
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肩 | 整形外科、脳神経外科 | 打撲による痛みがある場合は整形外科がおすすめですが、外傷の後や頭痛が併発している場合は脳神経外科が最適です。 |
喉 | 内科、耳鼻咽喉科 | |
頭 | 脳神経外科 |
背中・腰
背中 | 整形外科、循環器内科 | 特に激しい痛みの場合は心筋梗塞の危険もあるため救急車を呼ぶことも検討してみてください。 |
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腰 | 整形外科、婦人科 | もし女性の方で腰が痛む場合は、不正出血等の下腹部全体の病の可能性もあるため、心当たりがある場合は婦人科にかかるのも良いでしょう。 |
手・腕
手 | 整形外科、神経内科、脳神経外科 | 手や指先の症状では、まず不自然なしびれの症状や力が入らないといった運動障害に加え、呂律が回らない、二重に見えるといった症状が併発している場合は脳出血や脳梗塞の危険があるためすぐに救急車を呼びましょう。 |
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腕 | 整形外科、神経内科、脳神経外科 | 腕の動きにおいても同様ですが、軽い痛み程度であれば整形外科で問題ありません。 |
足
足も手や腕が急に力がはいらない、呂律が回らない、理由も分からずふらつく症状があれば、脳で重大な事態が起こっている危険があるため、すぐに救急病院に連絡してください。
痛みで手足が動かしにくい、関節が痛むなど痛みをともなっている場合は整形外科を受診してください。
両脚が不自然にむくむ場合、内科の中でも循環器内科か腎臓内科を受診してください。心臓や腎臓の病気が原因のことがあります。
整形外科
内科とは反対に、外科が得意とするのは「手術」など処置です。特に整形外科では、脳や内臓と皮膚を除いたほぼ全ての治療が可能です。
具体的には、
- 切り傷、擦り傷、刺傷や銃創
- 打撲、捻挫、各関節痛、腰痛、背中痛
- 骨折、脱臼
- 各部しびれ、リウマチ
などの疾患や、他には痛風や骨粗鬆症、スポーツによる怪我の治療も行います。
こんな症状や疾患は形成外科へ
整形外科ではなく、形成外科という診療科があります。整形外科と似ていますが、皮膚や皮下組織に関する疾患や、ケガに関わる科です。切り傷や擦り傷の治療やほくろやイボ、できものの治療が可能です。
他には、先天奇形やがんのような病による変形、欠損の修復治療は形成外科が専門となります。
リハビリテーション
リハビリテーションを専門とするリハビリテーション科では、特分の治療をする科ではありませんが、リハビリテーション科医という医師がおり、機能回復のプログラムを作成・実行します。
リハビリテーション科を
利用するケースとして、例えば
- 日常生活に支障をきたす首の痛み、腰痛、肩こりの改善
- 関節の痛みや変形による可動域制限、歩行障害の改善
- スポーツを原因とする怪我や障害からの回復
- 食事や着替え、トイレと言った日常動作の回復
などがあります。
リハビリテーション科はこのようなお悩みの場合に利用でき、捻挫や骨折のような外傷後や、何らかの病気後の回復のみに利用するというものではありません。
歳のせいと思われがちな肩こりや腰痛からの回復や、原因が特定できない変形性関節症やリウマチ、骨粗鬆症から起こる機能障害のリハビリテーションも可能です。
ペインクリニック
「ペイン」とは痛みを表す英語で、ペインクリニックとは簡単に言えば「痛みを治療する科」という意味です。
原因が分かっているものはもちろん、「原因不明だがとにかく痛む」という場合に相談できます。具体的には、
- 帯状疱疹
- 偏頭痛、群発頭痛
- 頚椎症、頚椎椎間板ヘルニア、むち打ち症
- 肋間神経痛
- 腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症、坐骨神経痛
などです。
整形外科と重なる部分もありますが、頭痛や手足の冷えやしびれと言った症状の改善も可能なのがペインクリニックの特徴です。
ペインクリニックで行う
ブロック注射と麻酔の違い
ペインクリニックでは、ブロック注射という方法で治療を行います。
いわゆる麻酔を使う治療ですが、痛みを起こしている原因の神経に対して、一般的な局所麻酔薬と同時に、少量の抗炎症剤やビタミン剤を組み合わせて注射をします。こうすることにより、痛みを取り除くのと同時に炎症も引かせるため、血液の流れを改善でき、本来持つ治癒力や免疫力が促進されます。